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ローテルの歴史の一部を

日本においては、かなり謎の存在になっているローテル社です。

しかし、歴史を知れば知るほど驚くことばかりです。

ローテル社のCTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)であるダレン・オースの存在もその一つです。

ダレン・オース




彼はB&Wの創立者であるジョン・バウワースと深い関係があったのです。秘蔵っ子と言われていたようです。

創立者がB&Wを手放してから、ローテルへ入社したのです。そして、ローテル社とB&Wが仲良く協業をしていた時も含めてB&Wの鳴り難いスピーカーを容易に鳴らせるローテル社のアンプたちがオーディオショーなどで使用されていました。

彼がB&Wのスピーカーを熟知していたからでしょう。

本来であれば真正B&Wスピーカーユーザーの皆さんはローテル社のアンプを使うことが、一番、理に叶っていると言っても過言ではないのでしょうね。


さて、ローテル社のオーディオ製品への取り組み第二弾が届きました。

またまた店主が我儘を言いベテランのローテルエンジニアのSさんにお願いしました。


ローテル社のオーディオ製品への取組み(その2) 時代は前後しますが、少し前に国内販売したパワーアンプRB-1592TM2 (ローテル商事によるスペシャルバー ジョン製品)はローテル社のオーディオ製品の指導者であった二人の名前(トニー・ミルズ、トニー・モペス)の頭 文字からTM2と入れました。

トニー・ミルズは先述の様に’Balanced Design Conceptの先駆者であり、トニー・ モペスはそれを市場に広め雑誌等でローテル製品が数々の賞を受賞しました。


90 年代のハイエンドローテルアンプ(RHB-10)を開発の際には英国から日本へ来て部品の選択にも携わりました。

この頃の普及製品の試聴ではEPOS, Rogers LS7の2ウエイスピーカーを標準にチューニングがなされていましたが、ハイエンド製品ではB&W 801(3ウエイスピーカー)での試聴を行いました。

音質への取り組み の始まった80年代のころ当社ではPHILIPS製金属皮膜抵抗を使用していましたが、ハイエンド製品に対し不十分な面があり、それに変わるT社製カーボン抵抗を使用するかV社製金属抵抗にするか試聴を繰り返しま した。最終的にはカーボンの甘い透明感の在る音質より、力も有り透明感も在る V 社製金属抵抗の採用とし ました。また、ハイエンドプリアンプ(RHA-10)では従来の音量ボリュームでは不満で T 社の品種を選択し採 用しました。ノイズ成分が少なく格段に透明度が向上しました。そうした一つ一つの取り組み方が今日のロー テル製品へと継続している音質への取り組みの基礎と成ったと思います。


というお話でした。Sさんはトニー・ミルズの下で働かれていたのです。ですからSさんの体験からのお話なのです。

そのような体験をしている方ですから、以下の話にも発展しました。


店主「トニー・ミルスさんは。どのような方でしたか?」

Sさん

「とても紳士的で柔和な方でした。とてもパーツなどに対する造詣も深い方でした。」

店主「当時、トニー・ミルズさんはおいくつぐらいでしたか?」

Sさん

「当時、60歳ぐらいで定年は近かったのだろうと思います。それもあってかとても

親切にご指導下さいました。」

店主 「仕事は英語での会話だったのですか?」

Sさん「そうです。」

店主「ランチなんかは一緒に取られたのですか?」

Sさん「残念ながらそれはなかったですね。」

当時、Sさんは若手だったようで、仕事優先という感じだったようです。

貴重な体験をされている生き証人であるSさんから貴重なローテルの一面を伺えたことは大変な収穫でした。

更に加えてローテル商事の進藤社長からもローテル社の歴史の一部をお伺いしました。


進藤社長

英国でローテル社がメジャー・ブランドになったには、トニー・モペスとトニー・ミルズのお二人の努力の賜物です。

そして、ローテルの創業者の立川さんとの親密な人間関係も大きな力となりました。

50数年前 RANKという複合企業体のメインはRNAKフィルムとRANKゼロックスです。

(RANKゼロックスは1962年に富士写真フィルムと合弁で富士ゼロックスを設立しました。)

このRANKの一部門としてRANKオーディオがスタートしたのです。

RANKとは1937年4月に実業家のJ. Arthur Rankによって設立された英国のエンターテインメントコングロマリットであり、Rankは同社の会長も務めました。すぐに英国で最大かつ最も垂直統合された映画会社になり、制作、配給、展示施設を所有し、映写装置や椅子を製造しました。また、ラジオ、テレビ、コピー機の製造にも多角化しました(Rank ゼロックスもこの一部になっていたのです。

そして、それまでOEMを主体としていたローテル社でした。取引先は米国、英国、フランス、カナダその他10数社の製品を作っていたのです。

その経験や生産能力がRank社のオーディオ部門をヘルプすることで、それが縁で、ローテル社の製品として、英国で花開くことになりました。

それはトニー・モペスやトニー・ミルズの両名が中心となり英国マーケットを詳しく調査し販路開拓を進め、確固たる地盤を築き上げたのです。

英国での大成功は、当然、欧州全体に広がり、現在でも高いブランド力を持っています。

というお話をお伺いすることが出来ました。


店主

ローテル社の確かな技術力があってこそ、欧州での成功が実現したのですね。

日本では情報が伝わり難いので、ユーザーの皆さんが情報不足で、ご苦労されていますね。私も開店当時からローテル製品を知っていたら、B&Wを扱っていたかもしれませんね。


ROTEL歴史 | lifesoundにおいて進藤社長もSさんも記念写真に登場されています。


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