TD508シリーズ史上最高、最上、超自然
更新日:1月31日
2001年にTD508やTD512が生まれて23年の月日が経ちました。
発売以来TD508を中心にTD全シリーズを通して活動をしてきました。
それはTDシリーズの登場がオーディオ再生に新しい時代が到来したことを確信させられたからです。TDシリーズの再生音を聴けば、その意味が分かる筈です。
過去にTDシリーズをお持ちの方で手放されている方も多いと思います。
そんな方がご来店されてTD508Mk3を試聴されると
「こんなに凄いスピーカーなのですか!?!?」と愕然とされる光景を何度も店主は拝見しました。
能率が悪いからダメなのかと思った方も「そんなこと全く感じられません!!」と言われたりします。
「歪を感じたのですが、全くありません!どうしてですか?」というご質問も多いですね。
「味のない再生しか出来ないと思っていたら全然そんなことはないです!!!!」
と言う体験をされた方が多いのですね。本質を理解されている方は「これでもう少し低音域が充実してくれたらなあ」と言われます。「8.0㎝のユニットの限界なのでしょうか?」とも言われます。
そして、2024年にTD508MK4が登場ました。
TD 508MK3が登場してくれた時、それまでのスタンドの欠点を指摘していたのですが、それも改善され素晴らしい状態になったことを確認させられ感動を与えられました。
それから12年。改善の余地があるとしたら根本的な見直しという途轍もない取り組みをしなければならないだろうと23年間の付き合いの中で感じていました。
エンジニアにとっても、厳しい山を登るが如くであろうと容易に理解できることです。
結果を聴くまでは大きな期待と大きな不安がありました。
しかし、担当エンジニアのSさんの名前と聞くと「これは行ける!!!」と確信が湧いて来ました。
2005年に生まれたTD510を2012年に発売されたTD510Mk2を一気に成長させてしまったエンジニアがSさんでした。そして、スピーカーユニット1発のフルレンジ型スピーカーの命であるスピーカーユニットの徹底的な見直しをされ、それを実現されたのがSさんです。
生みの親であるKさんから引き継がれた宝を、さらに磨き上げたSさんの仕事ぶりは、TD510MK2を聴いた瞬間に凄い!!と教えられました。
その性能の凄さは数値を超えた感動として店主を襲ってきました。TD510Mk2のスピーカーユニットは、当時のTD全シリーズの中でトップクラスの性能を持っていたと言っても過言ではありません。その正確で緻密な音を再生してくれる、実にク-ルな存在です。
TD510Mk2の登場は、その凄さに対応するにはケーブル関係の徹底的な見直しを迫られました。
その結果としてSUPERNATURALシリーズのケーブル群が誕生しました。
今になって思えば、それはまるでTD508Mk4をお迎えするために、生まれて来たのかと思わされることです。
その状態でTD508Mk4を聴いてみると、その通りでした!!!
リアルな音には歪は厳禁です。
そして、20世紀型のオーディオ機器を味わう楽しみ方は21世紀型再生には時代遅れであることを教えられます。
再生される音楽そのものの凄さ、楽しさを味わう喜びの方が大きいからであり、それが本質だからでしょう。
その為にスピーカーの完成度の低さから生まれる歪は不要です。
演奏者の意図する音楽を楽しめることが大事で、その演奏者の創造されたサウンドに人生を任せられることが大事ではないでしょうか?
TD508Mk4はスピーカーの歴史上、その歴史に新たな金字塔を打ち立てたと言っても過言ではない結果をもたらしました。
ライフサウンドではTD508が生まれた時から23年間小さな巨人と表現していましたがTD508Mk4に対しては小さな巨神降臨!と言いたい気持ちで心が破裂しそうになる感動を与えられました。
この神が如くのTD508MK4はライフサウンドの歴史上においても格別な衝撃を与えられました。
正面から見たTD508Mk3&Mk4。この姿を見て進化成長した部分がお判りでしょうか?
5か所確認できます。このポイントが分かる方はかなりな通ですね!
真上から見た両モデル。左側がTD508Mk4。
ボディがTD508Mk3より大きくなりました。
斜め後ろから見たTD508Mk4。スタンドの支柱がしっかりましたね。スピーカーの取り付け角度の調整方法が変わりました。
この部分に新たなパーツが生まれました。大変贅沢な作りのダイヤルがあります。
これは鋳造ではなく、削り出しです。このあたりにも製作者の気合が感じられます。
前モデルのスタンド部分も工夫されたのですが支柱が細いですね。
低音域の再生周波数が拡大されたことにより、より強度が求められたようですね。
52Hzから50Hzへと拡大された低音域。重量も3.5㎏から約5㎏へとヘビーになりました。50Hzになったことでグランドアンカーの重量も増えている筈です。
8.0㎝のユニットでも50Hzを再生することが如何に大変なことであるかが分かります。
数字的には僅か2Hzですが、大変なことなのですね。
これらによって「もう少し低音が出たらなあ」とう言葉は不要になりました。
ただ再生周波数的に低音域が伸びているのではありません。それに伴う低音の実態がまるで前モデルとは違うのです。きっと「これで8.0㎝一発なのですか!!??」と言って頂けることでしょう。
また、さらに面白いところがあるのですが、これはチューニング時に確認してみます。
現在、30時間ほど鳴らし込んでいます。次第にさらに本領を発揮してくれています。
このスピーカーがあれば生涯にわたり付き合えてしまうのではと思わされてしまいます。
音の密度や質量感が素晴らしいので、まさにリアルとはこのことではと教えてられています。
さらにスピーカーユニットの改善効果として吉村妃鞠さんの演奏を聴いてみました。
ブルッフのバイオリン協奏曲です。
ここで「いよ妃鞠ちゃん!!」と言いたいのですが、「いよTD508Mk4!!」と叫んでしまったのです。それは聴衆の吉村妃鞠ちゃんに送られた拍手の質の違いが歴然と分かるのです。拍手する両掌の当たり方の違いが明確に見えてきます。
しっかり掌同士が当たっている拍手。指先同士が中心にされている拍手など。そして各拍手の位置が明確に別れて拍手されている位置を教えてくれる空間再現性に、叫んでしまったのです。
ベース音の重さ、質量の出方などこれまでに「もう一つ欲しいな!」と思うことが全て解決されています。
竹内まりやさんの声においては、その肉質感が良く理解できます。これこそまりやさんのお声と言う感じが納得できます。
全ての音に対して感じられる完成度。それは超自然ということです。
しかし、まだ鳴らし込みが終わっていません。極々一部にやはり内部配線は交換しないとと言うところを感じさせられました。鳴らし込みが終わったら、要不要が分かります。
SUPERNATURALスピーカーにSUPERNATURALチューニングを行ったらどうなのか?
興味が尽きません!
そして、現在TD508Mk4を鳴らしているのはROTELのA11LifeSoundです。
さらに特に店主が驚いたことが昨晩起きました。
娘たち夫婦が初孫を連れて帰省しているのですが、その帰省に喜びのあまり対応に張り切り過ぎたアシスタントの妻が過労と微妙な風邪で寝込んでしまったのですが、竹内まりやさんの「返信」を再生した時、寝ているはずの妻がリスニングポイントまで這って出て来たのです。
「大丈夫? 音分かるのか?」と聞くと大きく頷きました。
そしてリスニングソファに座り聴き込んでしまったのです。
体調が悪いのに「凄いね!!」と言ったのに店主は驚きました。
これまで過去において、この体調になったら絶対にリスニングポイントに這い出てくることなど無かったからです!!!!
このびっくりな事件が起きたのが昨夜でした。
お蔭様で今は8割ほどに回復しています。
まさに小さな巨神のお蔭だと思います。
そして、この奇跡のスピーカーを生み出してくれたデンソーテンの皆様に心から感謝をさせて頂きます。
大きな会社のデンソーテンにおかれては、このTDのオーディオ部門の売り上げは、小さなゴマ粒のようなものかもしれません。
しかし、富士通テン時代に当時の社長さんが言われた音楽に携わることで会社が成長したことに対して、音楽業界に貢献できる作品をと言われた理念が、現在も引き継がれていることの素晴らしさ!!
これは数字を超えた音楽再生における歴史的な貢献であると店主は理解しています。
今後もデンソーテンにおいては仕事とは言えない存在かもしれませんが、このTDシリーズを活かし続けて頂くことは日本の文化への貢献になることであり、音楽を愛する世界の皆様への貢献であると思います。この貢献は数字を遥かに超えていることです。
そして、このTDシリーズをモニターとして使うプロの皆様が増えたら、世界的に音楽業界の次元上昇につながると思います。
日本が生み出し、世界を変える歴史を作ることが出来る奇跡の製品がTDシリーズにはあります。
単に数字の赤黒だけを追うのでなく世界の音楽を愛する人々への貢献を担えるということを信じて、これからもTD シリーズたちを育てて頂きたいと心からお願いする次第です。
そして、富士通テンからデンソーテンへと引き継がれた意味は、天から与えられたお仕事であるとご理解頂きたのです。
よろしくお願いします!!!
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